海外FXを初めてするという方にとっては、難しい専門用語が多く大変ですよね。
そんな方にも必ず覚えておいて欲しいFX用語が「スプレッド」です。
この記事をご覧になっている方の多くは、きっとこのように考えているのではないでしょうか?
本記事では、海外FXをする上で必須の知識「スプレッド」について詳しく解説していきます。
海外FXのスプレッドとは?
FXをする時には、MT4やMT5、ブローカーが提供しているオリジナルツールなどを使って取引したい銘柄の価格レートを見ます。
取引ツール上でみる価格レートは1つしか表示されていませんが、実際にはFXのレートには、2つの価格レートがあります。
その2つの価格レートが売値と買値です。
売値のことを「Bit(ビット)」、買値のことを「Ask(アスク)」と呼ぶこともあります。
スプレッドはこの売値と買値の差を計算して求めることができます。
例えば、1ドル120.503円で購入、1ドル120.500円で売却できる場合は、スプレッドは0.3pipsということになります。
スプレッドの単位は「pip(s)」という単位を用います。
円 | pips | 銭 |
1円 | 100pips | 100銭 |
0.1円 | 10pips | 10銭 |
0.01円 | 1pips | 1銭 |
米ドル計算すると以下のようになります。
ドル | Pips |
0.01米ドル | 100pips |
0.001米ドル | 10pips |
0.0001米ドル | 1pips |
例えば、GBP/USDの買値が1.22200ドルで売値が1.22270円ならスプレッドは7pipsとなります。
海外FXと国内FXのスプレッドの違い
同じFXが取引できるとはいえども、海外FXと国内FXとではスプレッドに対して異なる特徴が見受けられます。
次に海外FXと国内FXに関するスプレッドの違いについて詳しく見ていきましょう。
「固定スプレッド」と「変動スプレッド」による違い
国内FXでは「固定スプレッド」を採用しているブローカーが多い一方で、海外FXでは「変動スプレッド」を採用しているブローカーが多い印象です。
「固定スプレッド」とはその名の通り、スプレッドの値を固定して提示する方法です。
早朝や経済指標の発表前後といったボラティリティが大きくなりやすい時間帯を除いた平常時に、スプレッドの値を一定の数値に定めて提示します。
スプレッドが一定なので、取引コストの計算がしやすいというのが特徴です。
一方、「変動スプレッド」は固定スプレッドとは反対に、スプレッドが常に変動して提示されています。
状況によっては広いスプレッドでの取引となる可能性もありますが、逆にスプレッドができる限り狭い状態での取引も可能です。
「DD方式」と「NDD方式」による違い
「DD方式」と「NDD方式」とはFXにおける注文方式のことを指します。
「DD方式」は主に国内FX会社で用いられている注文方式です。
一方、「NDD方式」は海外FX会社でよく用いられている注文方式になります。
「DD方式」はスプレッドが狭い反面、ブローカーのディーラーがトレーダーとインターバンクの間に介在していたり、「トレーダーの損失がブローカーの利益になる」という利益発生のシステムから、透明性が低い注文方式だといわれています。
一方、ブローカーのディーラーがトレーダーとインターバンクの間に介在していない「NDD方式」では、スプレッドが広くなる傾向にある反面、取引の透明性が担保されています。
どちらがいいとは一概には言えませんが、スプレッドやレバレッジ、注文方式などを複合的に考えて、自分の条件にあった会社を見つけることが重要といえるでしょう。
同じブローカーでも口座タイプによってスプレッドの数値は違う
FX初心者の方の中には、「同じブローカーなら、異なる口座タイプでも同じスプレッドの数値になっている」と考える方もいるかと思いますが、それは大きな間違いです。
複数の口座タイプを提供しているブローカーは、それぞれの口座タイプで異なる特徴を持たせることが多いのですが、そんな特徴の1つとしてスプレッドの数値を変更するというやり方があります。
例えば、「ボーナスキャンペーンが対象外となる代わりにスプレッドを狭く設定する口座タイプ」があったり、「スプレッドは広いがボーナスキャンペーンが使え、初回最低入金額を低めに設定する口座タイプ」などを提供しています。
また、1つのブローカーでも先述した「DD方式」と「NDD方式」で口座タイプを分けている場合もあり、そういった場合にもスプレッドの数値は変わってきます。
スプレッドで海外FX会社を選ぶときの基準
本章では、スプレッドを考慮してブローカー選びをする際の3つのポイントについて解説していきます。
自分の取引スタイルによってスプレッドの重要度は異なる
スプレッドは注文をするたびにかかる手数料のようなものです。
つまり、注文回数が多くなればなるほどスプレッドによるコストも嵩むため、よりスプレッドに注意する必要が生じます。
例えば、スキャルピングを主な取引手法としており、1日に10回以上注文を繰り返すという方は、できる限りスプレッドの狭いブローカーを選ぶのが賢明です。
取引するつもりの通貨ペアのスプレッドに注目する
スプレッドの狭さと一概にいっても狭さの定義は千差万別です。
スプレッドが狭いと言われているブローカーであっても、さまざまな銘柄のスプレッドを全体的に狭くしているのか、特定の銘柄のスプレッドを特に狭く設定しているのかによって条件が大きく異なります。
従って、スプレッドという観点でブローカーを比較する際には、まず自分が取引するであろう銘柄を決めることから始めなくてはなりません。
もちろん、決めた銘柄以外でトレードしてはいけないということではないので、迷っている方はメジャー通貨をいくつかピックアップして銘柄ごとのスプレッドを比較検討してみるといいでしょう。
約定力の高さにも注目する
スプレッドの狭さというのは取引コストに直結する要素なので非常に重要ではありますが、そのほかにも必ず注目しておきたいポイントがあります。
それが、約定力です。
約定力はその名の通り注文を約定させる力のことで、約定力が高い環境で取引することでスリッページやリクオートなどを防ぎ、余計な損失を回避できます。
スプレッドの狭さばかりを求めるがあまり思わぬところで損失が出てしまうこともありますので、最低でもスプレッドと同時に約定力を確認しておくといいでしょう。
約定力に関しては具体的な数値がないため比較するのが少し難しいです。
TwitterなどのSNSや世界最大のFX口コミサイト「FPA(ForexPeaceArmy)」などを使えば参考になる情報があるので、上手に活用してくださいね。
海外FXにおけるスプレッドの注意点
最後に、海外FXを利用するうえで、必ず覚えておいて欲しいスプレッドに関する注意点について確認しておきましょう。
FX初心者が陥りがちなポイントについて詳しく解説しているので、気になるところだけでもいいのでチェックしてくださいね。
ボーナスが豪華な場合スプレッドが広く設定されている可能性が高い
海外FXの魅力の1つとしてよくあげられるのが、口座開設ボーナス(未入金ボーナス)や入金ボーナスといった豪華なボーナスキャンペーンです。
そんな豪華なボーナスキャンペーンを目当てに海外FXブローカーを選ぶという方も多いのですが、1つ注意点があります。
それは、ボーナスが豪華な場合スプレッドが広く設定されている可能性が高いということです。
海外FXではNDD方式を採用していることが多く、ブローカー側の利益は基本的にはトレーダーが支払うスプレッドと取引手数料になります。
ボーナスはトレーダーから得たスプレッドや取引手数料から捻出されたものです。
つまり、ボーナスが豪華ということはスプレッドや取引手数料他社より高くしている可能性が高いのです。
もちろん、有名ブローカーであれば、1トレーダーあたりから得られる収益が少なくても利用者が多いので、豪華なボーナスキャンペーンを開催しつつスプレッドも狭く設定している可能性があります。
注意ポイント
一概に「ボーナスが豪華な場合スプレッドが広く設定されている」とは言えませんが、このことを念頭においてブローカー選びをしてください。
ECN口座は最低入金額が高めに設定されている可能性が高い
ECN口座というのは、NDD方式の中の代表的な注文システムを採用している口座タイプで、「Electronic Communications Network」の頭文字を取った名称です。
トレーダーが発注したの注文がブローカーを介さず直接インターバンク市場に流れる、透明性の高い取引環境となります。
注意ポイント
透明性の高く約定力も高い傾向にある魅力的な取引環境なのですが、スペックの高い取引環境を維持するために、最低入金額が高めに設定されている可能性が高い傾向にあります。
また、スプレッドもDD方式を採用している口座タイプよりも高い傾向にあるため、注意が必要です。
スプレッドの狭さとスリッページの発生率は関係がない
海外FXを初めて利用する方の中には、「スプレッドが狭いなら取引環境が優れているということだから、スリッページは起こらないだろう」と考える方もいますが、これは大きな間違いです。
スプレッドの数値とスリッページの発生率に関しての因果関係は全くありません。
注意ポイント
スプレッドが狭くても約定力はあまり高くないというブローカーもあるので、それぞれ別の要素として比較検討しましょう。
海外FXではスプレッドに注意して取引をしよう!
海外FXを始める際に、スプレッドはブローカー選びの重要な要素となります。
特に、スキャルピングやデイトレードといった取引手法をメインで行う方は、注文するたびにスプレッドが取引コストとして加算されていくため注意が必要です。
またスプレッドだけでなく、約定力やなどのその他要素も複合してブローカーを選ぶ必要があります。
今回ご紹介した内容を参考に、できる限り自分に合った条件のブローカーを探してみましょう。
また、海外FX会社を選ぶ上で「ゼロカットシステム」も注目すべきポイントです。
下記の記事ではそんな海外FXのゼロカットシステムについて解説していますので、ぜひこちらの記事も参考にご覧ください。
-
参考海外FXはゼロカットのおかげで安心して使用できる?デメリットや出金拒否のリスクはあるの?
海外FXの特徴であるゼロカット。 これから海外FXを始める方なら、必ず知っておきたい用語のひとつです。 似た用語で強制ロスカットや追証などがありますが、違いがわからない方もいるでしょう。 ...
続きを見る